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在庫管理業務におけるAI活用の特徴やメリットについて解説します。
在庫管理業務の自動化や効率化を可能にするAI。実際にAIを活用した在庫管理はどのような業界で導入されているのか、3つの事例を紹介します。
スーパー、コンビニ、百貨店、銀行、ネットビジネスなど様々な事業を展開する大手流通持株会社のセブン&アイ・ホールディングス。同社では傘下のスーパーに、NECのAIである「異種混合学習技術」を活用したAIの需要予測に基づく発注システムを導入。正確な需要予測による発注業務の精度向上と効率化、欠品率が27%減少するなど在庫適正化を実現しています。
石油元売り業界大手の出光興産株式会社。同社では石油製品の在庫管理業務に、NECの先端技術「異種混合学習技術」を活用した出荷予測システムを導入。出荷数量の予測と、各油槽所における在庫情報の可視化(見える化)に成功し、油槽所在庫の最適化と業務効率化を実現しています。より効率化を目指せる在庫管理システムの構築だけでなく、サプライチェーンの効率化も実現しました。
全国に850店舗以上を展開する作業服・作業用品の国内大手、ワークマン株式会社。同社では2021年11月までに、日立の「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」を活用した独自の自動発注システムを450店舗に導入。結果、店舗棚割の現状をベースとした平均在庫量をキープしながら、こまめに補充する事で欠品防止を実現するなど在庫管理の最適化に成功しています。
AIの活用によって在庫管理業務はどのように変わるのでしょうか?AI活用による在庫管理の特徴やメリットを解説します。
在庫適正化を実現するには、正確な需要予測に基づく適切な発注量と発注点の設定が不可欠です。需要予測は従来人間が行ってきましたが、過去の販売実績や顧客データ、需要変化、競合他社の売価、気象情報など様々なデータを分析する必要があるため、正確な需要予測を行うのは簡単ではありません。
AI活用による在庫管理では、必要なデータを収集し正確な分析を行うことができるため、高精度な需要予測が可能になります。そして、正確な需要予測に基づいて発注が適切に行われ、在庫を適正化することができるのです。
AI活用による在庫管理では、種々のマテハン機器を最適化することができます。マテハン機器とは、自動倉庫、ピッキングシステム、ピッキングロボット、無人搬送車(AGV)など、いずれも在庫管理業務を支える必要不可欠なツールです。このようなマテハン機器にAIを搭載することにより、殆どすべての在庫プロセスを自動化することが可能になり、データの入出力ミス、欠品、在庫過多の防止を実現し、在庫管理を最適化を図れます。
AIを活用して在庫管理業務を最適化する手段の一つとして、AIを搭載している在庫管理システムの導入が挙げられます。AIは「人工知能」を備えるコンピューターです。単に定型作業を自動化できるRPAのようなロボットとは異なり、AIは自ら学習し、判断し、決定することもできます。
RPAはあらかじめ設定したパターンを読み込んで一定の単純作業を繰り返すことしかできませんが、AIを搭載した在庫管理システムは、データを収集して在庫情報を一括管理したり、在庫情報に基づいて未来の受注数を予測したり、生産計画や発注計画を全自動で作成することも可能です。
在庫管理にAIを活用したいと思う場合は、導入しようとしている在庫管理システムにAIが搭載されているかどうかを確認しましょう。