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商品数が多く流行や季節による変動も大きいアパレル業界で、在庫管理システムを導入した事例について解説します。
レディースファッションの企画・製造・販売の導入事例を紹介します。
事例参照元:アトムエンジニアリング公式(https://www.atm-net.co.jp/case/zaikokanri/zaikokanri04.html)
以前は商品の在庫数は台帳に記入するかエクセルに入力していましたが、記入漏れが多くありました。
受注数も台帳で管理していましたが、電話で確認を取る必要があったのでどうしても時間がかかってしまいます。また、目次の更新もしなければならないため、それにも手間を取られていました。
会社からでも、倉庫からでも台帳照会ができるようになり、生産や入荷、受注の確認が可能なので社員からは「楽になった」と好評です。また、目次更新をしなくても、システムに入力するだけで様々な情報が更新されるので確認しやすくなりました。
デザインや色、サイズごとに分類される洋服は、商品点数が多くあります。季節に合わせて商品を入れ替えたり価格を変えたりしなければならないので、これらの要因が在庫管理を難しくしていました。その変動にも対応できるシステムなら業務の負担が軽くすることができます。
学生服・ユニフォームなどの製造販売専門店の導入事例を説明します。
事例参照元:インネット公式(https://www.ats-innet.com/case/post-1/)
採寸したサイズを手書きで入力していたため、ミスが多く時間がかかっていました。入学式までに納品しなければならないのに、複数の店舗から集めた情報を集計する作業をこなさなければ生産量が決められない。そのため、残業になることが多くありました。
また、ファッション業界に多い返品についても、在庫管理システムで対応可能です。
採寸情報を自動的に読み取れるようにしたので、確認するだけで良くなりました。各店舗からパソコンで採寸情報を入力すると、在庫管理システムが自動的に反映するので集計作業がスムーズになりました。
短期間で多くの制服を納品しなければならないため、時間の制約の中での業務となります。複数の店舗の情報を正確に集めて共有できる在庫管理システムであれば、残業などの社員への負担が少なくなるのです。
在庫管理システム選びで失敗しないためには、ビジネスや現場の課題に合わせて選ぶべきです。トップページで種類別に詳しく解説していますので、参考にしてください。
かつてのアパレル業界は、生産・流通・販売とそれぞれが分かれていたのが特徴でした。しかし、近年は生産から流通、販売までを1社で行うブランドも出てきています。中間マージンがかからないことから、安価に提供できたり、素材にこだわるターゲットに向けた商品開発が可能になったりと、ブランド化に拍車がかかっています。
また、海外の大手ブランドも参入し、業界の力関係はさらに変化。売れるブランドは売れ、そうでない服飾は売れないと明暗がくっきりと分かれるようになっています。
消費者が服を購入する行動にも変化があります。アウトレットやインターネット販売、フリマアプリといった、これまでは主流でなかった経路で服飾を購入する人が増加。さらに近年は、サスティナブルなライフスタイルの浸透も影響を与えていると考えられます。
他の業種に比べて在庫管理が難しいと言われる理由を紹介します。
春夏秋冬といった季節に加え、アパレル商品にはトレンドがあります。同シーズン内でもトレンドが変われば、それに合わせた商品が生まれ、流行となっている間に売り切らなければいけません。
タイミングを逃してしまえば売れ残り、在庫を抱えることになります。また、在庫を管理できるスペースにも限りがあるので、想定より安い価格で売らざるを得ない状況になってしまうのです。
アパレル業界では、売れ残りが返品できる制度があります。そのため、売れなければ返品すればよいと考えてしまい、在庫を持つことに疑問を抱きにくいのです。
また、アウトレットで処分すればよいという考えもあります。返品や処分を行うことで、在庫スペースが常に空けられる状態になり、過剰在庫になっている意識が薄く、適正な在庫がどのくらいかが分からなくなるのです。
SNSでの口コミが理由で、売れていなかった商品に急にスポットライトが当たることがあります。そうした、予想外に売れてしまう状況が現代では起きやすいと言えるでしょう。つまり、需要の予測が立てにくくなっているのです。
また、エリア的な問題もあります。立地によって売れ筋が異なることも。チェーン展開しているような店舗では、ある店舗で売れているという理由で別店舗にも仕入れたところ、まったく売れなかったということが起きています。売れる・売れないの予測が立てにくいことから、過剰に在庫を持ってしまうのです。
同じ形でも色やサイズが異なる・ファッションアイテムの多様化など、扱うアイテム数が増えているのに加え、季節やトレンドごとの入替え頻度も増えています。
すると、人の手で行っている発注や検品作業ではミスが起きやすくなります。目視だけで検品を行っているとなおさらでしょう。1回1回のミスは小さなものだったとしても、回数が重なれば在庫は増えてしまいます。
適正在庫とは、「売れる時に売りたい数が保てる」状態を指します。売行きがピークになる時に足りない、売れない時に残っているのは適正ではありません。在庫を適正に保つには、スタッフがストックを把握しているかを意識しましょう。
過剰在庫になれば値引きやアウトレットでの処分となります。そうならないため、定価で販売できるようにすることも大切です。売れ筋が手に取りやすい位置に置くように適宜レイアウトを工夫しましょう。
どんな時にどんな商品が売れるかを予測する手法やツールがあります。スタッフの経験則と合わせて活用することで、過剰在庫にならずに済むでしょう。手法やツールの良いところは、仕事を標準化できることです。自店の適正在庫がどのくらいかが、徐々に分かってくるでしょう。
RFID(ICタグ)で在庫を管理する方法です。電波を用いているので、機器を近づけなくてもタグに紐づけされた情報を読み取れるのが特徴です。バックヤードの奥や高い位置に商品を置いていても問題無く把握できるようになります。
在庫管理に特化したシステムを用いる方法です。リアルタイムに管理できるうえに、需要予測も可能になります。チェーン店であれば、店舗間で在庫を把握できるので、A店で売れ筋の商品をB店が在庫として抱えていたとしたら、すぐにB店からA店に移動して売る、といったことが可能になります
システム化することで、欠品や入出荷の他、たな卸しと言った作業が効率化できるでしょう。スタッフは接客や店舗レイアウトなど、別の仕事にリソースを割けるようになります。