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製造

製造業における在庫管理システムの導入事例を解説します。

CASE1.部品製造・販売業

部品製造・販売業の導入事例を紹介します。

事例参照元:SmartMat公式(https://smartmat.jp/1134)

導入背景(課題)

簡易的なシステムで在庫管理を行っていましたが実在庫と合わないことがあり、特に仕掛品(製造途中の物)は管理が難しい状態でした。取引先からの急な発注には在庫だけでは対応できず、生産ラインなどへ変更を要請しなければならないことも。

また、毎週実施されている棚卸は社員への負担が大きい業務でした。

導入効果

倉庫まで足を運ばなくても、生産管理を担当している課がパソコンで在庫の量を管理できるようになり、効率が上がりました。また、棚卸を毎週する必要がなくなって社員の負担が軽減し、空いた時間を他の業務に回せるようになりました。

事業における在庫管理の考え方

製造業はたくさん作ればよいというものではありません。取引先が求める商品を切らさないように注意しながら、通常業務に力を注げるようにするには、在庫管理力を上げることも大切です。

CASE2.板金製造・販売業

板金製造・販売業の導入事例を紹介します。

事例参照元:SmartMat公式(https://smartmat.jp/151)

導入背景(課題)

顧客からの問い合わせにいつでも対応できるように、仕掛品を常に数百種類も準備していました。在庫管理は目視で担当者が確認するのみだったため、日々変動している在庫を把握することはできず、顧客からの注文があってから在庫がないことに気づくこともありました。

導入効果

製造途中の物はコンテナに入れて管理することで把握しやすくなりました。また、重さを利用して商品の個数を表示するようにして、少なくなってきたら知らせてくれるように設定したので、気が付いたら在庫がないという事態を回避。

その他にも、生産管理システムと連動させて、在庫管理の結果を生産指示にもいかしています。

事業における在庫管理の考え方

製造業においては状態の違うもの(原材料・仕掛品・完成品)と、予備や間接材(工具・燃料・消耗品)を、それぞれ分けて管理しなければなりません。目視だけですべてを把握するのは難しく、在庫が足りなくなって通常の業務に支障が出ることもあります。

在庫を適切に管理することは、会社の製造力を上げることにも繋がっていくのです。

在庫管理システム選びで失敗しないためには、ビジネスや現場の課題に合わせて選ぶべきです。トップページで種類別に詳しく解説していますので、参考にしてください。

CASE3. 感光材事業・化成品事業

フォトレジスト用感光材の製造・販売の導入事例を紹介します。

参照元:株式会社インフュージョン公式サイト

導入背景(課題)

工場内の在庫管理は専用の管理ソフトを用いて行っていましたが、MS-DOS用であったためサポートが終了。それ以降はExcelを代用し管理を続けていました。しかし数千個におよぶ在庫を手入力で管理することは難しく、処理の遅延、データメンテナンスの手間、複雑な管理フローによって管理責任者以外管理しきれなくなってしまいました。

導入効果

在庫管理システム導入後は、ロケーション別に在庫管理をできるように。Excelより操作性も良く、管理それ自体の作業がしやすい環境を構築しています。原材料の一部やロットなどのあいまいな単語検索にも対応しており、速やかに検索できます。

各種データは管理スタッフ同士で情報共有できる機能にも助けられ、管理責任者の負担を50%以上削減しました。

事業における在庫管理の考え方

ラック数数千個、複数種類の在庫を管理するには、膨大なデータに対応可能な在庫管理システムから比較検討するのが大切です。Excelで数千以上のデータを管理するには限界があるのは明らか。原材料の種類が膨大な製造業を展開している時は、種類別に管理可能なデータ容量の大きい在庫管理システムから比較検討してみてはいかがでしょうか。

CASE4.樹脂製品の製造

樹脂製品製造の導入事例を紹介します。

参照元:株式会社インフュージョン公式サイト公式サイト

導入背景(課題)

メーカーA社では、ゴム素材の開発や生産だけでなく、ユーザーからの発注に対応し樹脂製品の提供も行っています。その際、部材の管理および支給については自社で対応していますが、加工~出荷を協力会社B社にも委託していました。それに伴い、管理工数に関しての負担が浮き彫りに。棚卸作業の工数や在庫の手入力、Excelによる管理といった点を改良しなければいけない状況でした。

導入効果

在庫管理システム導入後は入出庫状況を正確に確認できるようになったただけでなく、B社側でも日次や月次で在庫状況を確かめられるように。メーカーと協力会社共に在庫把握が進み、在庫過多や管理ミスなどの防止につながっています。

事業における在庫管理の考え方

協力会社へ一部加工や部材管理を委託している時は、部材支給のミスや在庫過多を防ぐためにメーカーと協力会社の間で共通の在庫管理システムを導入するのがポイント。在庫管理システムを円滑に運用できるよう、双方のスタッフに管理方法を教えることも重要です。

CASE5.除菌BOX製造・LED照明製造業

LED照明、除菌・抗菌スプレー製造業の導入事例を紹介します。

参照元:株式会社アトムエンジニアリング公式サイト

導入背景(課題)

以前より在庫管理システムを導入していましたが、システム規模や機能などといった点で自社の目的とずれていたほか、保守管理に関しても各スタッフで対応しきれず、課題となっていました。また不要な機能やサービスの付帯で高コストになっていたのも気になっていました。

導入効果

在庫管理システムを切り替えたあとの変化として、柔軟性の高いソフトだったため誰でも使いこなせるようになったことが挙げられます。また在庫管理を効率的に行えるようになり、他の業務へよりリソースを避けるように。このシステムは販売管理システムとの同期も可能だったので、在庫管理情報と販売情報を一致させられるのも便利で、手動による調整も不要になりました。

事業における在庫管理の考え方

製造業と一言で表しても使用する部材の種類、在庫の種類、販売方法などに大きな違いがあります。在庫管理システムを探す際は、単に機能が豊富といった点ではなく、予算や在庫管理に必要な機能を見極めながら検討しましょう。

製造業における在庫管理の方法について解説します。

日本の製造業を巡る動向

かつては「ものづくり大国」として国際社会から高い評価を受け、持ち前の技術と生産力で日本のみならず、世界の経済をも支えてきた日本の製造業。1991年にバブル経済が崩壊して以降は、長期にわたる景気低迷、リーマンショック、相次ぐ自然災害などにも見舞われ、多くの国内製造業者が国内生産から海外展開を進めていき、相対的に日本国内の生産供給力は低下していきました。

それでも、日本の製造業は必死のコスト削減を通じて収益改善を図り、自動車産業では依然として高いプレゼンスを発揮するほか、さらには素材産業、素材技術、中間生産物などでも強みを持っており、日本経済を支える原動力としての役割を果たしています。

製造業における在庫管理の特徴

一口に製造業の在庫管理といっても、生産形態や扱う在庫の種類によって在庫管理の在り方は異なります。製造業にはどのような生産形態や在庫の種類があるのか、基本的な知識を確認しておきましょう。

製造業の生産形態

製造業における生産形態には、ディスクリート製造(加工組立製造)とプロセス製造の2形態があります。ディスクリート製造は個々(単体)の部品を集めて加工・組立を行い一つの完成品を生産するスタイルです。自動車、機械、半導体、家電製品などがこれに該当します。プロセス製造は原材料を化学的に加工して完成品を生産する形態です。石油精製、化学プラント、薬品などがこれに該当します。

ディスクリート製造では、生産途中の「仕掛品」が在庫管理の対象として多いこと、逆にプロセス製造では、原材料に合わせた生産工程が必要になるため、多様な製造工程に対応できる在庫管理体制が求められるなど、在庫管理の在り方は生産形態によって異なるのが特徴です。

在庫の種類

製造業における在庫は以下のような種類に分かれています。

部品・原材料
ディスクリート製造では部品、プロセス製造では原料が、それぞれ在庫管理の対象です。
仕掛品(しかかりひん)
いわゆる中間品です。製造過程の途中段階にあり、完成品には至っていない状態の在庫です。
完成品
製造過程の最期に位置する、文字通り最終的な完成品です。出荷までの間、倉庫にて保管します。

製造業の在庫管理における課題点

製造業における在庫管理の目的は、クライアントが必要とする製品を必要な分だけタイムリーに供給することです。

この目的を阻害する要因として、“部品調達から最終製品が完成するまでのリードタイムが長期化すること”、“在庫管理が最適化されていないため、過剰な在庫を抱えてしまうことによるキャッシュフローの悪化”、“ピッキングミスの発生”といった課題が挙げられます。

製造業における在庫管理を最適化するには、こうした一連の課題を解決するための取り組みが必要です。

製造業の在庫管理を3ステップで実現

製造業における在庫管理は、以下の3つの手順で行われます。

1.適正な在庫数を設定する

まず、過去数年間の製品出荷件数の情報をもとに、適正な在庫数を設定します。在庫数は多ければ多いほどよいと考えるかもしれませんが、過剰な在庫を抱えることは、維持費が増えてキャッシュフローの悪化を招きかねません。かといって、在庫数が少なすぎると、欠品を起こしてしまい、顧客の注文に応じたタイムリーな供給ができなくなります。

よって、多すぎない・少なすぎない、クライアントに迷惑のかからない適正な在庫数を確保することが大事です。

2.在庫のモニタリング(見える化)

適正在庫数を設定したら、次に現在の在庫の状況をモニタリング(見える化)します。在庫のモニタリングとは、どこに、なにが、どれぐらい、どのような状態で在庫しているかの情報を正確に把握するということです。在庫のモニタリングを行うことで、在庫の過不足を回避し在庫管理業務の最適化を図ることができます。

3.在庫管理体制の構築

可視化された在庫の状況をもとに、在庫管理業務を最適化するための仕組みや体制を構築します。具体的には、陳列の仕方など在庫管理における基本ルールの策定、適正在庫を切った場合にアラートを出す仕組みの導入、在庫管理表の作成やシステム導入による在庫情報の共有化、といった施策が有効です。こうした仕組みや体制を構築することで、在庫管理の最適化を実現することができます。

製造業で適正在庫を維持する2つのポイント

製造業において適正在庫を維持するためのポイントとして、以下の2点に注意してください。

適正在庫数を意識した部品・原材料の計画的な仕入れ

製造業で適正在庫を維持するために押さえておきたいポイントの一つは、部品・原材料の仕入れを計画的に行うことです。先述しましたが、適正在庫は「多すぎず・少なすぎず」が目安になります。多すぎると過剰在庫になりキャッシュフローを悪化させる一方、少なすぎると欠品が生じてしまうリスクがそれぞれあるのです。

部品・原材料の仕入れではこの点を意識した、過不足のない適正在庫をキープするための計画的な仕入れを行うことがポイントになります。

生産・加工・販売の製品ライフサイクルを意識する

製造業の特徴は、生産・加工・販売といった一連の製品ライフサイクルの中で業務が行われているということです。当然ながら、在庫管理の在り方も、このライフサイクルを意識したものでなければなりません。生産管理、加工管理、販売管理と各ステップの管理体制を充実させることによって、結果的に在庫管理の最適化を図ることも可能になり、適正在庫を維持することができます。